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Channel: 【移転しました】旧 Saya Cinta Malaysia
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クアラ・セランゴール「Kelip Kelip」で幻想的なホタルの光を見つめる

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今回、マレーシアに着いて初日、ご飯を食べてとりあえず空港から北へ向かって海沿いを走っている時、「クアラ・セランゴールのホタルは見たことある?」と質問をされました。

…ないですっ、ないっ! マレーシアのホタルツアーはとても有名だから知っているけど…、行こうと思ったこともなかったのです。もう何十回も訪れているマレーシアだけれど、いわゆる「観光地」というところにあまり行かない私…。天邪鬼だから、みんなが行かないところをついつい目指してしまうからなのか…? そんなわけで、ホタル見てみたい~とクアラ・セランゴールまでドライブしつつ、北上です!

当たり前ですが、ホタルは暗くならないと見ることができないので、日が沈むまでお茶したりおやつを食べたり寄り道を楽しみつつ、小さな施設「Kelip-Kelip」に到着です。場所はここ。クアラ・セランゴールだけれど、なぜかカンポン・クアンタン(Kampung Kuantan)っていうのもなんだかおもしろい。(クアンタンはパハン州の大きな町です)



クアラ・セランゴールのホタル観賞と言えば「Kuala Selangor Firefly Park」が有名ですが、友人いわく、ここはもっと小さなボートで間近でホタルを見ることができてオススメなのだそうです。いつもそうやって、なんだか穴場的なところに連れて行ってくれて嬉しい。今回ここでホタルを見た時間は、旅の初日にしてこの旅のハイライト! と言ってもいいくらい(ハイライトの訪れ早い…笑)本当に素敵な時間だったので、書き留めておきたいと思います。ただ…暗かったのと、ホタルをこの目でちゃんと見たいと思ったので、写真や動画はひとつもありませんが…どうぞ私の拙い文章で想像の翼を広げてもらえたら嬉しい限りです。

「Kelip-Kelip」では手漕ぎの4人乗りのボート1台が53RM(約1,500円)で、人数が集まらなくても、ボート1台分の料金を払えば乗ることができます。窓口に並んでいたら、彼が後ろにいるマレー人カップルに「2人? 一緒に乗らない?」と声をかける…。ほんと、こういうところ要領いいというか手際がいいというか、いつも感心する…笑。一緒に乗ることになったので、1人13RMくらい(約370円)で乗れることに。小さなボート、乗るの久しぶり~。不安定なボート、実はちょっと苦手なのですが、おじさんが体重配分も見ながら「ゆっくりね~」とサポートして乗せてくれるので安心です。後ろでおじさんがボートを漕ぎ出し、ゆっくりと出発しました。

ホタルがよーく見えるように周囲の照明は落とし、そして、森と川しかないところにぽつんとあるため、とっても静かです。ボートも手漕ぎだから本当に静か…。川面とボートが触れて水面の波立つ音と、森から聞こえてくる鳥や虫の声だけが響いています。この音を聴いてるだけでも、十分来てよかった~と思えるのですが、あっという間にぽわーっと光を放つホタルがとまる木が現れます。大きな木いっぱいに、光るホタルがたくさん! 森の中を歩いていたら急に煌びやかなクリスマスツリーが現れた、みたいな不思議な感覚でした。こんなにたくさんいるのね…。ホタルがとまる木々とボートの距離は50センチもなく…最初はちょっと現実と思えなくて。こんな幻想的な光の数々を、生き物が放っているのかと思うと信じられない気持ちで、ぼーっとしながら見ていたかも。

ぽわーっとグリーンがかった光を放つホタルがたくさんとまる木のすぐ横で、おじさんがボートを停めてくれます。木に手を伸ばすと、数匹のホタルがふわ~っと飛び立って手の平にホタルが乗ってきます…。彼がそれを私の手の平に乗せてくれました。初めて見た野生のホタル、すごく近い距離で見ているのに、違う世界で光を見ているみたいな不思議な気持ちに。少しの間見ていたら、ふわーっと飛んで行ってしまいました。川面を光を放ちながら自由に飛んでいくホタルの姿を見ている時は、言葉が出なかった。

ずーっとこの空気と幻想的な光を見ていたかったけれど、20分ほど川を往復して、ボート乗り場に戻りました。ボートを降りてもなんとなく心がホタルの光に掴まれていて…。そんなこともあって、乗り場や看板の写真も撮ることをすっかり忘れてしまいました。そんなわけで、一枚の写真もないレポートとなってしまいました。

でも…、いつもマレーシアの景色を記録に残したいと思って握りしめているカメラだけれど、この時間は自分の目で見て感じて、本当に良かったと思っています。幻想的な不思議な時間を肌と心で感じることができたから。今も目をつむると、あの川面の空気感まで思い出せるくらい記憶に焼きつけたので、後悔はないのです。

また行けたらいいな。また行きたいな。

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