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マレーシアでラマダン月を過ごす

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色々綴りたいことがあったのに、ラマダンとハリラヤを過ごしていたらすっかり時間が空いてしまいました。もうラマダンも終わりハリラヤも終わり、オープンハウスムードも終わりそうな雰囲気なのですが、今さらラマダンのことを書こうと思います…。

        

マレーシアに引っ越しをしてから3週間ほどで、ラマダン月となりました。イスラムに改宗をしてから3度目のラマダン月、そしてハムザと結婚をしてからは初めて一緒に過ごすラマダンでした。東京で断食をした過去2回は、仕事をしながらということもあったし、ラマダン月のほとんどの日々を一人で過ごしていたのであまり楽しいものとは思えなかった断食。どうやって過ごせばいいのかもあまり分からなかったし、すぐに体調を崩してお休みすることも多くて半分もできていなかったのですが、今回はハムザが色々と助けてくれて一緒に過ごすことができたので、やっとまともに断食をすることができたかも、と思えるラマダン月となりました。

とは言っても、大変だったこともいくつか。フルで断食をするのは初めてだったこともあり、自分の体調管理や心身の変化にすぐに気が付けず急に熱が出て寝込んでしまったり情緒不安定になったりして。特につらかったのは気持ち面で情緒不安定な状態を自分でもどうコントロールすればいいか分からない日が数日あったこと。ハムザに少し言ってみたけど、なんとなく同じ空間にいて私だけが「つらい、しんどい」と言うのがはばかられて(私はこういう悪い癖があるので直したい。本音をきちんと言えないとだめだよね。)、しっかりはもう言えなくなってしまって。

でも、あまりにつらくて黙っていても涙が出てきたりして自分でもまずいなと思い、仲良くしていた日本在住のムスリムの友人にLINEで聞いてみたりしました。友人はボーンムスリムで40年近く断食を経験しているけど、やはりラマダン月が始まって最初の1週間くらいは精神的に少し不安定になったりするのだそうです。「自分のような長く断食を経験してる者でもそんな感じだから、ナオコさんはまだ3回目で赤ちゃんみたいなものだから。無理しないでキツい時はお休みしてください。マレーシアに引っ越して環境の変化だけでも大変だと思うし。」と言われました。結局ラマダン月が終わってみれば、断食をお休みしたのは生理の日だけで、あとはすべてやり遂げることができたのですが、来年以降心身つらい日がある時はあまり無理しないで休むことも考えよう、と思いました。それで身体を壊したりしても良くないからな…と。

そしてもう一つは、大変だったというよりはもうそれでいっぱいいっぱいになってしまったことが礼拝。マレーシアに引っ越しをしてからハムザと一緒に礼拝をするようになり、色々覚えながらやってはいるものの、朝早く(というかまだ夜中の域)起きて日没まで断食をして、日に礼拝を5回して、というのがもう私にとってはいっぱいいっぱいな出来事で。ハムザが色々教えてくれるんだけどなかなか気持ちがついていかなくて、途中それで少し身体がしんどくなった時期がありました。ボーンムスリムの人や、改宗後熱心に日々勉強をされている人からしたらきっと「おいおい」なレベルの低い話だと思うのですが、マレーシアに引っ越してきて食生活や暮らしが大きく変わり、断食をフルにして、今までしていなかった日に5回の礼拝をして、というのはキャパシティの狭い私にとってはハード過ぎる課題でした…笑。本当はそれ以外にも、モスクに出向いてラマダン月中の夜1時間くらいかけて行うタラウィー礼拝に参加したりとか、やらなくてはいけないというかやったほうが良いことはあったのですが…タラウィー礼拝は3回ほど行ったのみであとは行かなかったです。一日断食をした夜にご飯を食べてから1時間の礼拝に行けるって、みんな体力あるなあと感心してしまう…。来年はもう少し行けるようにしたいけど、まあゆっくり…。

でも、ある意味無理やりでもそういうモードに持っていって、イスラムのことや神様のことを日々考えることができたことはとても良かったと思うし、ラマダン月中もそれ自体はつらいという感覚はありませんでした。むしろ、やっとこういう暮らしにシフトできて、そして教えてくれる人もいて、というありがたい環境に感謝をしながら過ごしていた1カ月でした。本当はもっと色々できたら良かったのかもしれないけど、、、でもまあこれが私は精一杯だったな。

傍目にはどう映っていたか分からないけど、わりとこうギリギリの気持ちのところで均衡を保っていた1カ月だったと振り返ります。イスラムや神様のことをこんなに色々考えたのは改宗をしてから初めてだったので、分からないことから自分で納得できることとか考えることが多い日々。それと同時に、「やらなくて」みたいな焦りのようなものにも追いかけられてる感じで、幸福感と焦燥感とが一体になっていて、日々そのバランスを保ちながら過ごしていたような。だから、たまにそのバランスが崩れると気持ちが崩壊してしまって、いつもなら流せるハムザの何気ないひと言に噛みついたり、号泣したりしてしまったことも…。私の世話をあれこれ焼いてくれていたハムザにひどい態度を取ったりして、すごく申し訳なく思いました。ハムザだって断食してて身体はしんどいのにね。とても感謝しています。

と、初めてマレーシアでハムザと共に過ごした私のラマダン月はこんな感じでした。よく、日本でのWEB記事なんかだと「ラマダンはラマダンバザールが楽しい!」とか浮かれた感じの記事も目にするのですが笑、実際は結構みんな地味に過ごしていると思います。体力もあまり使いたくないから、お家で質素にご飯を済ませたりするし、実際一日断食をした後だとそんなに食べらないから、食事の量も少ないです…。私はこの1カ月で5Kg体重が落ちました。実際のラマダン月は、楽しいというよりは、神様と向き合って自分ができることを日々淡々と行う時なのだろうなとつくづく思いました。それを知ることができたのも良かったなと思っています。色々気付きを得ることができた1カ月でした。

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